2022年9月16日
健全化判断比率と資金不足比率
平成19年6月に、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」が公布され、地方公共団体は、毎年度、健全化判断比率と資金不足比率を監査委員の審査に付した上で、議会に報告するとともに、住民に対し公表することが義務付けられました。
地方公共団体は、健全化判断比率により、「健全段階」「早期健全化段階」「財政再生段階」の3つの段階に区分され、早期健全化段階や財政再生段階になった場合には、それぞれの計画に従って財政健全化を図ることとなります。
健全化判断比率のいずれかが早期健全化基準以上の場合は財政健全化計画を、健全化判断比率のうち将来負担比率を除いた3つの比率のいずれかが財政再生基準以上の場合には、財政再生計画を定めなければなりません。
また、公営企業の資金不足比率が経営健全化基準以上となった場合には、経営健全化計画を定めなければなりません。
健全化判断比率
健全化判断比率には、次の4つの指標があります。
1. 実質赤字比率
福祉、教育、まちづくりなどを行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し、財政運営の深刻度を示すものです。
算定式
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普通会計の実質赤字額 |
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実質赤字比率 = |
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標準財政規模 |
※実質赤字額・・・(歳入総額-歳出総額)-翌年度へ繰越す歳入=実質収支額
実質収支額がマイナス(赤字)の場合に、実質赤字額となります。
※標準財政規模・・・地方自治体の標準的な収入。
2. 連結実質赤字比率
すべての会計の赤字や黒字を合算し、地方公共団体全体としての赤字の程度を指標化し、地方公共団体全体としての運営の深刻度を示すものです。
算定式
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連結実質赤字額 |
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連結実質赤字比率 = |
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標準財政規模 |
※連結実質赤字額・・・普通会計と特別会計(国民健康保険特別会計・介護保険特別会計・後期高齢者医療特別会計)の実質赤字額と公営企業会計(水道事業・下水道事業)の資金不足額の合計。
3. 実質公債費比率
借入金の返済額及びこれに準じる額の大きさを指標化し、資金繰りの危険度を示すものです。
算定式
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(地方債の元利償還金+準元利償還金) -
(特定財源+元利償還金・準元利償還金に係る基準財政需要額算入額) |
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実質公債費比率 = |
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標準財政規模 -
(元利償還金・準元利償還金に係る基準財政需要額算入額) |
※地方債の元利償還金…町の借金に対する毎年支払う返済金。
※準元利償還金…町の借金に対する毎年支払う返済金に準じるもの。
岐南町では、羽島郡広域連合などの一部事務組合の公債費への負担金、水道事業会計・下水道事業会計の公債費への一般会計からの繰出金、その他公債費に準ずるものを含みます。
※基準財政需要額…普通交付税の算定基礎となるもので、財政需要を一定の方法によって合理的に算定した額。
ここでは、基準財政需要額に算入された公債費等を控除します。
4. 将来負担比率
地方公共団体の一般会計の借入金や将来支払っていく可能性のある負担などの現時点での残高の程度を指標化し、将来財政を圧迫する可能性が高いかどうかを示すものです。
算定式
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将来負担額-(充当可能基金額 + 特定税源見込額
+ 地方債現在高に係る基準財政需要額算入額) |
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将来負担比率 = |
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標準財政規模 -
(元利償還金・準元利償還金に係る基準財政需要額算入額) |
※将来負担額…次の(1)から(7)までの合計額
(1) 地方債の年度末残高(町の借金の残高)
(2) 債務負担行為(2年以上にわたって支払うもの)に基づく支出予定額
(3) 一般会計以外の会計(水道事業・下水道事業)の借金返済に充てる一般会計からの負担見込額
(4) 町が加入する羽島郡広域連合・岐阜羽島衛生施設組合などの組合等の借金返済に充てる一般会計からの負担見込額
(5) 退職手当支給予定額(全職員に対する期末要支給額)のうち、一般会計の負担見込額
(6) 連結実質赤字額
岐南町では、該当がありません。
(7) その他、設立法人の負債額等の負担見込額と組合等の連結実質赤字額の負担見込額等がありますが、岐南町の場合は該当ありません。
※充当可能基金額…町全ての基金残高(町の貯金残高)
公営企業(会計)の資金不足を、料金収入等と比較して指標化し、経営状況の深刻度を示すものです。
算定式
※資金の不足額:(法適用企業)=(流動負債+建設改良費等以外の経費の財源に充てるためにした地方債の現在高
-流動資産)-解消可能資金不足額
※資金の不足額:(法非適用企業)=(歳出額+建設改良費等以外の経費の財源に充てるために起こした地方債の
現在高-歳入額)-解消可能資金不足額
岐南町では、「水道事業」と「下水道事業」が公営企業となります。